2013年08月10日

マンガのちから展+漫画少年とトキワ荘の時代展

8月8日〜9日と東京で色々見てまいりました。
というわけで、そのメモ1。

出かけた時系列的には最後になるんですが(^^;

まずは東京都現代美術館で開催されている


「手恷。虫×石ノ森章太郎 マンガのちから」
http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/manga/index.html


ほど近くの森下文化センターで開催されている
「『漫画少年』とトキワ荘の時代〜マンガが漫画だった頃」
http://www.kcf.or.jp/morishita/event_detail_010200400104.html
以上二つのサクッとしたメモから。

いずれもまだ開催中のイベントということもあり、あっさり目で書きますが
ネタバレも含みますので、気になる方は閲覧をお控えください。

というわけで、以下続きをどうぞ。

(※特に「漫画少年」の方は「まんが道」とか読んでないと
 なんだかわけがわからないかもしれませんが、ご了承ください)

---------------

■マンガのちから展

手恷。虫と石ノ森章太郎という、日本マンガの礎を築いた2人の歴史に
スポットを当て、マンガを使った表現者としてどのような歩みを経て
現在の評価を得るに有ったのか、ということを生み出したキャラクターや
新たに発見された資料、多くの原画などをキーに読み解いていこう、という展示。

事前にはキャラクターに全面にスポットを当てた紹介をされていて、
NHKで組まれた特番も結構初心者向けというか、あっさり目の内容になっていたので、
アニメ寄りっぽいような感じであまり原作マニア向けの展示ではないんだろうな〜
…と思っていたのですが。

見始めてビックリ。
原画が多い多い。

原画展という名目ではないものの、子どもの頃の習作から
晩年の作品まで、とにかくたくさんの原画に圧倒されます。

多くの原画の間に、映像資料などがはさまってくるカンジで、
基本的には原画展でした。嬉しい予想外。

ただ、初期の手塚先生の単行本原画については所在不明になっているものが多く
後日復刻単行本用に書き下ろしたものがメインになっていたのがちょっと残念。

それから、初期の石森先生の作品を語る上で欠かせない、
周囲にいた所謂トキワ荘一派の人たちの紹介などはあまりなく、
あくまで石森作品のみに紹介されていて展示からは基本的に除外されていたので、
そのあたりはちょっと残念だったかな。
しかし、今みたいに気軽に同じ志の人たちとの交流したり、作品が発表で来たわけでは
ない時代だったからこそ、蓄積されたパワーというか、そんな人たちが集まった時の
爆発力のようなものがすごかったんだろうなと、「墨汁一滴」なんかを見てて
しみじみ思われました。

それにしても、初期の資料の結構な数を寺田ヒロオさんの御子息が提供していて、
提供されたそのものよりもその提供者記載にグッときちゃったりする自分(^^;
テラさんの尽力がこの時期の資料の下支えになってるんだな…と。
(この辺りなぜグッと来てるかは『まんが道』他トキワ荘がらみの資料参照)

で、初期のエリアにどどーんとそびえる、トキワ荘を再現したセット。これが圧巻でした。
正面は写真撮影もできるのがガンガン写真撮りましたが、
一番わあ、と思ったのが室内の再現エリアで、石森先生や手塚先生の性格が
見えてくるような部屋の様子に、無駄にテンションが上がったりしていました。
(特に石森先生の部屋のマッチ)

中盤はメディアミックス路線で生み出された各種の作品の紹介。
カラーの原稿などもかなり多めに紹介されていました。

で、最後はどどーんと原画のエリア。
ここは本当に圧巻です。
一枚一枚の原画を心行くまでみることができるので、一枚の原稿が
出来上がるまでの紆余曲折(特に手塚先生の原稿)を知る事が出来ます。
ある作品などはほとんど全コマ切り貼りなんじゃないかと思えるぐらい
手の入っているものもあって、あれだけ同時並行で様々な作品を
生み出していたにもかかわらず、一つの作品にこれだけ執着するという
執念のようなものを感じることができたし、アナログ原稿の持つ力のようなものを
ビシビシ感じることができました。
こんなに大量の原画を一度にみたことがなかったので、
あんまり感情たかぶりすぎて涙出てきちゃって相当変な人になってました(^^;
いや、ホントすごかったです。

で、その後は他アーティストによるオマージュ作品。
イラストだけではなく音楽や立体など、様々。
藤子A先生や水木先生といった、同世代の作家さんと、チルドレンというべきその下の世代、
さらに「神」として崇めるさらにその下の世代、あるいは海外のアーティストなど
三世代、四世代にわたるアーティストからの想いに、この二人の大きさを感じることができます。
イラストだと小畑先生のイラストが個人的に凄く好きだったなあ…私が買った図録初版には
載ってないので残念ですが(^^;

最後は物販。展覧会オリジナルやそれ以外も色々なグッズがあるんですが、
個人的におおっと思ったのがこれらの戦利品のうち
今日の戦利品:マンガのちから展の方。オリジナルのBJポストカードの人選が最高。てかユリ!... on Twitpic

中央にあるブラックジャックのポストカード(展覧会オリジナル)で
キャラクターの人選が最高すぎて鼻血でそうでした。
(桑田このみ・如月めぐみ・山田野先生・本間先生・キリコ・ユリ)
これもう一枚かっても良かったなあ…。

ということで大満足で終了。

アトムと009がキービジュになっていますが、全体的には
2人の原稿の力に圧倒されて、キャラクターそのものというよりは
2人の世界を存分に楽しめた、という印象です。
美術館だから大丈夫だとは思ったけど、開催時期的に
変に子供向けアトラクションとかあるかと心配していましたが、
なくてよかった(^^;
逆にお子さん連れで行くには少し硬派な内容だったかなと思います。

ちなみに入口で500円の音声ガイドを借りましたが、
内容はかなり初心者向けな感じだったので個人的には不要だったかな(^^;
アトム&009による展示解説が聞けます。


■『漫画少年』とトキワ荘の時代展


こちらは同じ最寄駅、清住白河駅から美術館とは丁度反対側に
てくてく10分弱歩いて行った所にある森下文化センターで
ひっそり行われている、特別展。

ちなみにナタリー記事。
手塚治虫らが活躍した貴重な漫画雑誌、全101冊を展示
http://natalie.mu/comic/news/96308

こちらは、先ほどの展示の前半部分、トキワ荘一派が投稿をしていた
雑誌として有名な「漫画少年」をすべて展示し、トキワ荘の時代を振り返る
そんな内容です。渋いです。美術館のそれと一部重なるテーマがあるはずだけど
とにかく、渋いです。渋いですが、とても良い展示でした。

入場無料のこの展示は、文化センターの1階部分で、
ちょっとした展示よろしく飾られているのですが
良く見ると藤子先生はじめそうそうたるメンツの原画や、
当時の雑誌がとにかくたくさん飾ってある。
しかも美術館ではガラスの向こうにあった「漫画少年」が
手にとって読めたりする(1冊だけですけれども)。
「COM」のトキワ荘がらみの読み切りに関しては、
各種雑誌が用意されていて読み放題状態です。

展示はトキワ荘通い組だった永田竹丸氏(この人の絵はとても好きなのです)
プロデュースということらしく、近くにいた人だからこそ書ける、
トキワ荘一派一人ひとりの紹介や、永田氏にテラさんなどから宛てられた
手紙なんかも飾ってあって、トキワ荘での生活そのものの生々しさと
いったものは個人的には美術館よりこっちの方が伝わってくるなあ…
というカンジでした。
(美術館とは視点が違うので、比べるもんではないのですが…)

こじんまりとした展示ではあるのですが、
とても温かさ、というか「体温」を感じることができる展示です。
一人ひとりの紹介にホント愛を感じるんだよなあ…。

美術館の展示の方で自分の中で物足りなかった部分のようなものが
この展示を見て補完されたような気がしました。

今日の戦利品2:「漫画少年」とトキワ荘の時代展の方。バリ渋。チューだーあめはこれ用のグッズではなくトキワ荘近辺で売られてる... on Twitpic

物販はこの文化センターの事務所で売られているのですが、
これ用ではなく既存のグッズらしいのですが、うわあ!となるものばかりで
チューダーあめや森安なおや氏の復刻単行本などを購入してみました。
森安さんの絵もね…線が可愛いんだよねえ…。

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というわけで、華やかな美術館の「マンガのちから」と
その中にある一つのマンガ雑誌の歴史とその時代。
両方の会期中にお出かけされる方は是非両方お楽しみいただきたい、そんな展示でした。

大満足。また来たいです。


posted by 日高見 at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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