2013年04月22日

ジブリの教科書1「風の谷のナウシカ」

ネットを見ててバナーに購買欲が左右されることはまずありませんが
珍しく、バナー広告見て「ほう」と思って買ってみた、本。

文春ジブリ文庫シリーズ、「ジブリの教科書1『風の谷のナウシカ』」。

4168120007ジブリの教科書1 風の谷のナウシカ (文春ジブリ文庫)
スタジオジブリ
文藝春秋 2013-04-10

by G-Tools


「教科書」と銘打つだけあり、それぞれのジブリ作品を読み解く為の
ミニサイズの解説本、というシリーズのようです。

ちなみにシリーズ公式HP:
http://bunshun.jp/bunko/ghibli/kyokasho/nausica.html

以下、感想です。気になる方のみ続きをどうぞ。


内容は
・監督・プロデューサーによる制作概要
・主要制作スタッフによる証言
・作家、評論家、学者等による新たな視点による評論
などを大きな柱とし、過去発売された様々な関連書の収録内容を一部再録しつつ
新たな解説・評論を加える形で一冊にまとめられています。
文庫ではありますが、図版も結構たくさん収録されていて、
庵野監督が書いた巨神兵の原画が載っていたり、
ナウシカのプロトタイプの水彩画なんかもカラーで収録されています。

再録が結構多いので書籍を一通りそろえている人にとってはそれほど
目新しい内容ではないかと思いますが、宮崎作品は昔から好きなものの
フィルムコミック以外はほぼ書籍系は読んだことがない自分にはかなり
新鮮な気持ちで読むことができました。
文庫でここまで収録されていればもう文句は言えません。

特に高畑勲さんのこの作品に対する思いが結構要所要所で出てきますが、
宮崎監督でも鈴木さんでもない高畑さんからの「ナウシカ」観というのが
自分の中では相当新鮮で、興味深く読めました。
宮崎監督との対談がとにかく必見。(再録ですけど)

評論は色々な方向から切り込んでて面白いなあと思いましたが、
特にこれも新鮮だなあと思ったのが「腐海の生物学」。文字通り
ナウシカ世界を生物学的に考えた評論です。宗教とか哲学といった概念で
語られることが多い作品なので、こういう切り方もあるんだなあ、と面白かったです。

アニメとマンガという2つのバージョンをもつ作品であり、
また社会的なインパクトや関連書の数々など、総合しておそらく、
この後刊行されるシリーズの中でも最も元々の情報量が多いと思われる
「ナウシカ」ですが、今回のこの文庫では作品全体を網羅するというよりは
「『ナウシカ』という作品の概論」というところに焦点を絞った印象があります。
製作スタッフのコメントを除いては、アニメか漫画かどちらかに完全に方向を
切ってしまった内容というのは少なくて、二つの作品の真ん中から両方を見る、というのが
基本的なスタンスとなっていて、全体的には俯瞰的な内容となっています。
またアニメスタッフのコメントも「商業作品としてのナウシカ」という視点が
強めに書かれているので、客観的なイメージがとても強いです。

そのため、「概論」とはいえ、「初心者向けのわかりやすい解説」ではなく、
映画はともかくマンガは一通り読んでることが前提で、
その上で、自分のようにあまり関連書は読んだことがない、という人に
その二つの同じタイトルの作品を味わうための新たな視点を与えるための「概論」
であり、そんな意味で存在感を発揮する本なのだろうと思います。

個人的にはもうちょっと作品の中とかキャラクターも切りこんでくれるのかなと
期待する部分もありましたが、それに関しては他の細分化された書籍の方を
見るべきなのだろうな、と思いました。
最後の出典一覧のページを参考にして、色々読んでみたいと思います。
そういう意味で自分には「教科書」としては最適であったのかも。

来月にはラピュタが出るらしいので、こちらも楽しみにしていようかと思います。


posted by 日高見 at 23:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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